意味
英語の bother と聞くと、多くの日本人学習者はまず「迷惑をかける」「邪魔する」という意味を思い浮かべると思います。 しかし、日常会話では “時間や労力をかけて何かをする” というニュアンスでも非常によく使われます。
この記事では、この 「わざわざ〜する」「〜する手間をかける」 という意味の bother の使い方を、実際の会話例とともに分かりやすく解説します。
「Bother」 のイメージ
「Bother」 = わざわざ時間・労力をかけること
日本語にすると以下のようなニュアンスになります。
- 「わざわざ〜する」
- 「手間をかける」
- 「そんなことしなくていい」
- 「そこまでしなくていい」
- 「面倒だと思う」
- 「労力をかける価値があるかどうかを考える」
基本パターン
以下のような形で頻出します。
平叙文
- not bother doing 〜(わざわざ〜しない、しなかった)
- not bother to do 〜(わざわざ〜しない、しなかった )
例文
- I didn’t bother to cook dinner.(わざわざ夕食を作ることはしなかった。)
- She never bothers to read the instructions.(彼女は説明書を読む手間をかけようとしない。)
- He didn’t even bother to apologize.(彼は謝ろうとすらしなかった。)
命令文
- Don’t bother doing 〜(わざわざ〜する必要はないよ)
- Don’t bother to do 〜(わざわざ〜しなくていいよ)
ここでの Don’t bother ~ は、「迷惑をかけないで」という意味ではなく、
「わざわざ~しなくていいよ」
「そんなことに時間や労力を使う必要はないよ」
「しても意味がないよ」
という意味です。「その行動をするだけの価値がない」「する必要がない」というニュアンスが含まれています。
例文
- Don’t bother showing up(来なくていいよ)
- Don’t bother calling him(彼に電話しなくていいよ)
疑問文
- Why bother 〜 ?(わざわざ〜する意味{必要}ある?)
- Why bother?(わざわざそこまでする意味{必要}ある?)
例文
- Why bother cleaning it? It’ll get dirty again tomorrow.(また明日汚れるんだから、わざわざ掃除する必要ある?)
- Why bother arguing with him?(彼と議論したってしょうがないよ。)
- If nobody’s coming, why bother decorating?(誰も来ないなら、わざわざ飾り付けする必要ある?)
以下では、会話例をもとに、ネイティブがどんな場面でこの表現を使うのかを見ていきましょう。会話例には、ご参考までに和訳を添えます。
会話例と解説
Conversation 1: Deciding on Dinner (Phrase: “don’t bother”)
Context: A husband calls his wife on his way home from work to see if he should pick something up.
Mark: Hey, are you cooking dinner right now?
Sarah: No, I was just looking at recipes, but honestly, don’t bother buying groceries or making anything. Let’s just order takeout.
Mark: Works for me! I’m exhausted anyway. What do you feel like eating?
Sarah: Let’s get pizza. It saves us the hassle of doing dishes later.
会話1:夕食をどうするか決める(表現:“don’t bother”)
状況: 夫が仕事帰りに妻へ電話し、何か買って帰ったほうがいいか尋ねている。
マーク:もしもし、今夕飯作ってる?
サラ:ううん、レシピを見ていただけ。だけど、正直、わざわざ食材を買ったり何か作ったりしなくていいよ。出前を頼もう。
マーク:それがいいね!どうせ今日はヘトヘトだし。何が食べたい?
サラ:ピザにしようよ。そうすれば後で食器を洗う手間も省けるしね。
Sarah の “don’t bother buying groceries or making anything” は、 「夕飯の食材を買ったり何か作ったりするために時間や労力を使わなくていいよ」 という意味です。
ここでの「bother」は、
- 「手間をかける」
- 「わざわざする」 というニュアンス。
つまり Sarah は、 「今日は疲れているだろうし、無理して準備しなくていいよ」 という気遣いを込めて “don’t bother” を使っています。
✔ ポイント
- “don’t bother 〜” は相手の負担を減らす優しい表現
- 「わざわざしなくていいよ」という含み
Conversation 2: Skipping an Optional Meeting (Phrase: “bother going”)
Context: Two university students are discussing an optional review session before a final exam.
Ben: Are you heading to the professor’s review session at 4:00?
Leo: Nah, I’m not going to bother going. He already uploaded all the lecture slides online, and I’ve already gone through them twice.
Ben: True. It’s an hour-long walk to campus just for him to repeat the slides.
Leo: Exactly. Save your energy and just study at home.
会話2:任意参加のミーティングを見送る(表現:“bother going”)
状況: 大学生二人が、期末試験前の任意参加の復習セッションについて話している。
ベン:4時からの教授の復習セッションに行くの?
レオ:いや、わざわざ行くつもりはないよ。講義のスライドは全部オンラインに上がってるし、もう二回見直したから。
ベン:確かに。スライドの内容を繰り返し聞くだけのために、一時間かけてキャンパスまで歩くのはなあ。
レオ:そういうこと。体力を温存して家で勉強したほうがいいよ。
Leo の “I’m not going to bother going.” は、 「そのために時間や労力を使って行くほどの価値を感じない」 という意味です。
ここでの「bother」は、
- 「労力をかける」
- 「わざわざ行く」 というニュアンス。
Leo はすでにスライドを2回見ているため、 「行っても得るものが少ない」 と判断しているわけです。
✔ ポイント
- “not bother doing” は「わざわざ〜しない」
- 「行く価値がない」「労力に見合わない」という含みがある
Conversation 3: Being Too Tired for Errands (Phrase: “can’t be bothered”)
Context: Two roommates are relaxing on the couch on a rainy Sunday afternoon.
Emma: We’re completely out of milk and coffee creamer. Someone needs to run to the convenience store.
Chloe: Ugh, I can’t be bothered to put on real shoes and go out in this rain. I’ll just drink my coffee black today.
Emma: Same here. I am way too comfortable right now to expend that kind of energy.
Chloe: We’ll go tomorrow morning when we actually have to leave the house.
会話3:疲れていて買い物に行く気にならない(表現:“can’t be bothered”)
状況: 雨の日曜日の午後、ルームメイト二人がソファでくつろいでいる。
エマ:牛乳もコーヒーフレッシュも完全になくなっちゃった。誰かコンビニに行かないと。
クロウィー:あーもう、この雨の中、ちゃんとした靴を履いて外に出る気になれないよ。今日はブラックで飲むことにする。
エマ:私も同じ。今すごくくつろいでるから、そんなことにエネルギーを使う気になれない。
クロウィー:明日の朝、どうせ外に出るから、そのときに買いに行こうよ。
Chloe の “I can’t be bothered to put on real shoes and go out in this rain.” は、 「そんなことをする気力が出ない」 という意味です。
“can’t be bothered” は、
- 「面倒すぎてやる気が起きない」
- 「そこまでしてやりたくない」 という、非常に日常的で自然な口語表現。
雨の中で靴を履いて外に出るのが面倒で、 「そこまでのエネルギーはない」 という気持ちを表しています。
✔ ポイント
- “can’t be bothered” は「面倒くさすぎて無理」
- イギリス英語で特に頻出だが、アメリカでも普通に使われる
Conversation 4: Giving Up on a Difficult Project (Phrase: “why do I even bother?”)
Context: A person is struggling to assemble a piece of flat-pack furniture that keeps falling apart.
Dan: (Sighs loudly and throws down a screwdriver) That’s it. I’m done.
Jen: What happened? Is the shelf uneven again?
Dan: Yes! The holes don’t line up at all. Why do I even bother trying to build this cheap furniture myself? I should have just paid for the pre-assembled one.
Jen: Take a deep breath. Let me look at the instructions; maybe we just missed a step.
会話4:難しい組み立て作業に嫌気がさす(表現:“Why do I even bother?”)
状況: 組み立て式の家具を作っている人が、何度も崩れてしまうため苦戦している。
ダン:(大きくため息をつき、ドライバーを放り投げる)もういい。やめた。
ジェン:どうしたの? また棚が傾いてるの?
ダン:そうなんだよ! 穴の位置が全然合わないんだ。こんな安物の家具を自分で組み立てようなんて、そもそも何で頑張ってるんだろうな。最初から完成品を買えばよかったよ。
ジェン:ちょっと落ち着いて。説明書を見せて。もしかしたら、どこかの手順を飛ばしちゃっただけかもしれないよ。
Dan の “Why do I even bother?” は、 「どうして自分はこんなに頑張っているんだろう?やるだけ無駄じゃないか」 という、諦め・苛立ち・虚しさ を表すフレーズ。
ここでの「bother」は、
- 「努力する」
- 「頑張る」 という意味で使われています。
家具が何度も崩れ、穴も合わないため、 「努力しても報われない」 という気持ちが込められています。
✔ ポイント
- “Why do I even bother?” は「やっても無駄だ」という自己ツッコミ
- ネガティブだが、日常会話でよく使われる自然な表現
Conversation 5: Party Plans
Context: Someone is talking on the phone to a friend who is at a party.
A: I might swing by the party later.
B: Honestly, don’t bother showing up. It’s basically over already.
A: That fast?
B: Yeah, everyone left after the cake.
会話5:パーティーの予定
状況: 誰かがパーティーに参加している友人に電話している。
A:あとでパーティーに顔を出そうかな。
B:正直、わざわざ来なくていいよ。もうほとんどお開きみたいなものだから。
A:そんなに早く?
B:うん。ケーキを食べ終わったら、みんな帰っちゃったよ。
B の “don’t bother showing up” は、 「わざわざ来ても、もう終わっているから意味がないよ」 という意味。
ここでの「bother」は、
- 「来るために時間や労力を使う」 という行為を指し、 「その手間をかける必要はない」 という気遣いが含まれています。
✔ ポイント
- “don’t bother showing up” は「来なくていいよ」
- 「来ても得るものがない」「無駄足になる」という含みがある
Conversation 6: Fixing Something
A: Should I call Jake to help fix the sink?
B: Don’t bother calling him. He’s terrible with tools.
A: Fair enough.
B: We’ll just hire someone who actually knows what they’re doing.
会話6:修理について
A:シンクの修理を手伝ってもらうために、ジェイクに電話したほうがいいかな?
B:彼に電話する必要はないよ。彼は工具の扱いが全然だめだから。
A:なるほど、それもそうだね。
B:ちゃんと修理のやり方を分かっている人を雇おうよ。
B の “Don’t bother calling him.” は、 「彼に電話しても意味がないから、わざわざしなくていいよ」 という意味。
理由として、 “He’s terrible with tools.”(工具が使えない) が続くため、 「頼んでも役に立たない」 というニュアンスが明確です。
✔ ポイント
- “don’t bother calling him” は「電話しても無駄」
- 「相手の時間を節約させる」優しい響きもある
まとめ
「Bother」の核心は「時間・労力・気力」です。
どの会話にも共通しているのは、 bother = 時間・労力・気力を使う行為 というイメージ。
- don’t bother 〜 → わざわざ〜しなくていい
- not going to bother 〜 → わざわざ〜するつもりはない
- can’t be bothered 〜 → 面倒でやる気が出ない
- Why do I even bother? → 努力しても無駄だ(自己ツッコミ)
こういった「bother」のニュアンスを日本語の “わざわざ” “手間” “面倒” と結びつけて考えると、理解しやすくなります。
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