ようこそ「通訳訓練シリーズ」へ。今回から英日同時通訳の練習をします。
おさらい
同通練習を始める前に英日通訳の工夫・コツのおさらいをする方は、こちらをご覧ください。順送り訳 や頭ごなし訳 を見直す方は、こちらを、サイト・トランスレーションのおさらいをする場合はこちらをご覧ください。
練習教材
今回の練習で使用する原文は、オバマ大統領が2015年に「全ての児童生徒が成功する法」(Every Student Succeeds Act」に署名をする際に行ったスピーチです(出典American Rhetoric)。このスピーチは、14分程度の長さがあります。これを前半と後半に分けて、同通練習をしていきます。今回は前半です。
有益な語彙
まず下に挙げた語彙を見てください。訳すのはさほど困難ではないかもしてませんが、スラスラと訳出できないと同時通訳は難しいですので、同通練習をする前に、英語を見て即座に和訳が口から出てくるようにしておきましょう。
- bipartisan bill:超党派の法案
- No Child Left Behind (Act):「落ちこぼれ防止法」
- cookie-cutter reforms:画一的な改革
- Race to the Top:「トップへの競争」
- improve student achievement:生徒の学力向上を図る
- flexibility:柔軟性
- receiving waivers from some of the requirements :一部の要件に対する免除を受けて
- Senator Lamar Alexander:ラマー・アレクサンダー上院議員
- Senator Patty Murray:パティ・マレー上院議員
- Representative John Kline:ジョン・クライン下院議員
- Representative Bobby Scott:ボビー・スコット下院議員
- significant ideological differences:イデオロギー的に大きな違い
- bipartisanship:超党派主義
- in a civil, constructive way:礼儀正しく建設的な方法で
- keeping their eye on the ball:目標を見失うことなく
- set that kind of tone:そのような姿勢を確立した
- grandstanding:大袈裟なパフォーマンス
- a lot of posturing:不自然な態度
- outgoing Secretary of Education Arne Duncan:退任する教育長官のアーン・ダンカン
- gotten on people’s nerves:人々を苛立たせた
- set high expectations:高い期待値を設定する
- outstanding advocates:素晴らしい支持者たち
- teachers unions:教員組合
- civil rights organizations:公民権団体
- philanthropies :慈善団体
- superintendents:教育長
- stakeholders:関係者
- raise academic expectations:学力の期待値を高める
- the single-biggest determinant of …:〜を決定する最大の要因
- dropout rates:中途退学率
- historic lows:歴史的な低水準
- “dropout factories”:「ドロップアウト工場」
- aren’t hitting the mark yet:まだ目標に達していない
- high-quality education:質の高い教育
- prerequisite for success:成功のための必須条件
通訳練習
オバマ大統領は、比較的明瞭な話し方をします。ただ、しばしば話すスピードが速くなることがることから、同時通訳がやや困難な部分があるかもしれません。
最初から完璧な同通ができなくても、これは練習ですから全く問題はありません。一度目の練習がどうであれ、二度目の練習で通訳の質が少し向上し、三度目は更に良くなる、というように前進すれば良いのです。
プレーボタンの下に参考訳出例を入れていますが、これはあくまでも一例です。
では、プレーボタンを押して同時通訳練習をしていきましょう。
参考訳出例




まとめ
今回は英日同時通訳練習を行いました。通訳技術向上には、こういった練習をたくさんすることが不可欠です。同じ原文を使って何度も練習をすることも有益ですから、今回の原文も繰り返し使って通訳練習しましょう。
また、当然のことながら、様々な原文を使って通訳練習をすることは大変有益です。どのような原文を使っても構いません。ご自分で音源を探されたら良いのですが、一つおすすめなのはこれまでも利用してきたAmerican Rhetoricというサイトです。また、このウェブサイトのサイト・トランスレーション練習の一回目から四回目で使用したスピーチの音源(下にあります)を利用されても良いと思います。訳出例や訳出困難な部分の訳し方のヒントをサイト・トランスレーション練習でご紹介しておりますので、それを参考にされながら同通練習をされてもよいかと思います。もし、そうされるのでしたら、音源はこちら⬇にあります。
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★ 通訳に関心がある人にとって読む価値のある本を、こちらで ⇩ 紹介しています。
★ 「順送り訳」のコツや、「意味のユニット」や、「スラッシュ・リーディング方式の訳」等をおさらいする方は、この2つの記事↓↓をご覧ください。