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通訳訓練(21)同通|日英 — 2

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ようこそ「通訳訓練シリーズ」へ。今回は日英同時通訳練習の2回目です。

今回の通訳練習で使用する原文にも、大きな数字が含まれています。数字の訳出について、おさらいをする方はこちら⇩をご覧ください。

また、日英通訳のコツ・工夫のおさらいする方はこちら⇩をどうぞ。

練習教材

今回の同時通訳練習では「世界難民の日」(World Refugee Day)にちなんだ発言を原文として使用します。長さは680字程度で、長くはありません。内容は、難民及び国内避難民とはどういう人たちなのか、人数や出身国、現在彼らはどの国や地域で保護されているのか、問題点は何なのか等といったことです。
「世界難民の日」は6月20日で、2000年12月の国連総会で制定されました。

有益な語彙

通訳練習に入る前に、この通訳練習で有益な語彙を確かめましょう。

  • 世界難民の日:World Refugee Day
  • 迫害:persecution
  • 紛争:conflict
  • 逃れる:flee
  • 国際的な保護:international protection
  • 国際社会:the international community
  • 喫緊の課題:urgent challenge / issue
  • 特定の社会的集団への所属:membership in a particular social group
  • 抑圧:oppression
  • 住む家を奪わた:displaced
  • 国内避難民:internally displaced persons (IDPs)
  • 制定された:was established
  • 3倍以上に増加した:has more than tripled
  • 紛争:conflicts
  • 余儀なくされる:be forced to
  • 低所得国または中所得国:low- and middle-income countries
  • 先進国:developed countries / nations
  • 責任を公平に共有すること:equitable sharing of responsibilities
  • 極右勢力:far-right movements
  • 抵抗:resistance
  • 不釣り合いに大きな負担:disproportionate burden
  • 不安定化させる:destabilize

通訳練習

では、下のプレーボタンを押して同時通訳練習をしていきましょう。

参考訳出例・訳し方説明

通訳例を下に掲載します。訳に関する説明(訳注)は、通訳例の下をご覧ください。

訳注

1.別の訳し方としては、「June 20 marks World Refugee Day」や「June 20 is designated as World Refugee Day」等があります。

2.逐次通訳であれば、「… the number of such individuals has now exceeded 120 million」などの、より自然な英語のほうが良いと思います。しかし、ここでは同時通訳として順送り訳(頭ごなし訳)方式で訳していて、このような英語になっています。

3.原文が「難民とは、人種、宗教、国籍、政治的意見、または特定の」という部分まで進んできたときに、これは、難民の定義を説明するやや長めのセンテンスであるように感じたので、まず「難民とは」を話題を提示する要素として訳出し、その後は文の展開に合わせて順送り訳をしていくという手法をとっています。こういった話題を示す表現に関してはこちらをご覧ください。

4.こういった、言葉の定義を述べる文は通訳が大変難しい場合があります。この部分も、同時通訳は困難です。上の註3にあるように、順送り訳に徹して、訳出しています。仮に同時通訳ではなく逐次通訳でしたら、例えば「Refugees are people who have fled their own countries for fear of persecution, violence, or oppression based on race, religion, nationality, political opinion, or membership in a particular social group」などというように訳しておけばよいでしょう。

5.「さらに」という表現は、実際のところどういう意味を表しているのかを文脈から判断して適切な訳語を使います。場合によっては、「Moreover」や「Furthermore」等の表現のほうが良いのかもしれませんし、意味の流れ次第では、別の表現のほうがふさわしいのかもしれません。様々な類似表現を使えるようにしておきたいものです。いくつか挙げますと、「Also」、「Additionally」、「What’s more」、「To compound the situation」等です。

6.今回の原文にも大きな数字が含まれています。こういった大きな数字を訳すことに慣れていないと、通訳をするときに困ることにもなりかねません。普段から、練習をしておくのが賢明です。より詳しくはこちらをご覧ください。

7.ここは、本当は「This is because」や「The reason is」などの短い表現のほうが良いのですが、原文がどのように展開するのかをうかがいながら訳しているので、英訳をどのように進めようかと考えつつ、沈黙を避けるために、何らかの訳を出すために、「This is due to the fact that」という冗長な語句を使っています。

8.順送り訳をするために、「アフガニスタン、ウクライナ、シリア」等の国名を最初に訳出しており、必然的に「紛争」が目的語という文構造になります。そこで、この主語と目的語をうまくつなぐ動詞をどうするかということになり、「experienced」を使っているのです。別の可能な動詞としては「seen」等があります。

9.上の註8と同様に、頭ごなしに訳していることから、「Europe」を主語にしています。述語は「極右勢力の支持が高まり」です。主語と述語をつなぐ動詞として、この部分の訳では「seen」を使っています。

10.原文では「中東やアフリカなどの地域の国々が不釣り合いに大きな負担を負うことは」が主語ですが、非常に長いですし、順送りに訳出をしていきたいので、まず、この語句を主語・述語からなる文として訳しておいて、次の「これらの地域を不安定化させるリスクがあり」は「which」を使った関係節を用いて処理しています。こういった工夫に関してはこちらで扱っています。

まとめ

今回は日英同時通訳練習の2回目でした。前回も申しましたが、こういった練習をたくさんすることが通訳技術向上につながります。練習用の原文は、どのようなものでも構わないと思います。また、同じ原文を使って何度も練習をすることも有益です。今回の原文も繰り返し使って通訳練習しましょう。

★ 通訳に関心がある人にとって読む価値のある本を、こちらで ⇩ 紹介しています。

★ 「順送り訳」のコツや、「意味のユニット」や、「スラッシュ・リーディング方式の訳」等をおさらいする方は、この2つの記事↓↓をご覧ください。

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