この記事では、通訳関係の検定試験をご紹介します。
一般通訳検定(TOUI)
これはコミュニティ通訳者の育成と地位向上を目的とした検定試験で、一般社団法人「通訳品質評議会」が実施しています。この試験は筆記試験と実技試験(逐次通訳)で構成され、受験者は「上級」、「中級」、「初級」から一つを選んで受験します。試験の結果に基づき、1級~10級の判定がなされます。対象言語は、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、ベトナム語です。
1級のレベルは「業務に必要な専門知識を正確で取りこぼしのない逐次通訳ができる。業務としては、警察内での通訳、病院での診察・診断時の通訳ができる」とされています。
詳しくは、一般社団法人「通訳品質評議会(CIQC)」のウェブサイトをご覧ください。
ビジネス通訳検定(TOBIS)
ビジネスの現場で活躍する通訳者に必要なスキルを判定する試験で、4級~2級を判定する「逐次通訳試験」と、1級を判定する「同時通訳試験」からなります。理解力、非母語の言語能力、表現力など、通訳に求められる技術をプロの通訳者が客観的に評価し、弱点や強化すべきポイントが個別にフィードバックされるので自身の技術向上にも役立ちます。
1級のレベルは「ビジネス通訳をする上で必要な知識・用語が身についており、日本語・英語の両言語において適切な表現で通訳ができる。ビジネスの現場で逐次・ウィスパー・同時通訳のいずれのモードでも柔軟に対応できる技術が身についている」とされています。
詳細は、NPO法人「通訳技能向上センター(CAIS)」及び TOBISのウェブサイトをご覧ください。
医療通訳技能認定試験【専門/基礎】
これは、厚生労働省の『医療通訳育成カリキュラム基準』に基づいて、医療・保健分野における対話コミュニケーション能力や語彙、通訳技術、倫理など、医療通訳者として必要な知識と技能のレベルを評価、認定する試験です。医療通訳者の職業能力の向上と社会的地位の向上に資することを目的とした試験で、対象言語は英語と中国語です。
「基礎」レベルは「診療所、一般病院などにおける対話コミュニケーションを通訳するために必要な関連知識、技術、倫理を有していることを基準」としています。
「専門」レベルは「医療、保健分野における対話コミュニケーションを支援するために必要な関連知識を有し、医療通訳者として対話者間の効果的なコミュニケーションを可能にする十分な能力、技術、倫理を有していることを基準」としています。
詳しくは、一般財団法人「日本医療教育財団」のウェブサイトをご覧ください。
医療通訳技能検定試験
これは、外国人訪日医療の発展初期に、医療通訳の分野で通訳技能を客観的に評価する検定試験として、2014年に始められたものです。対象言語は英語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語等です。2019年からは、国際臨床医学会(ICM)による「ICM認定医療通訳士制度」の認証試験となっています。
医療通訳1級は「医療全般かつがん治療などの重度疾病に通訳対応可能なレベル」とされ、医療通訳2級は「人間ドックや慢性疾患、中軽度疾病などに通訳対応可能なレベル」とされています。
詳細については、一般社団法人「日本医療通訳協会」のウェブサイトをご覧ください。
全国通訳案内士試験
これまで上でご紹介した検定試験とは別に、「全国通訳案内士」という資格を得るための試験があります。これは国家試験であり、「全国通訳案内士」は、唯一の通訳関係の国家資格です。通訳案内士法には「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を⽤いて、旅⾏に関する案内をすることをいう)を行うことを業とする」と定められています。この国家試験に合格すると、都道府県に「全国通訳案内⼠」として登録ができます。なお、2018年の法改正により、全国通訳案内⼠の資格がなくても有償で通訳案内業務を⾏うことが可能になりましたが、その場合は「全国通訳案内⼠」や、これに類似する名称を使⽤してはいけません。詳しくは全国通訳案内士試験事務局のウェブサイトをご覧ください。

